カナダでの労働時間と残業などについて情報です。
ご紹介しているのは、日本語話者の方がわかりやすいように意訳です。
法の解釈並びに 適用については、原文の労働基準法と規則を参照してください。
また、州によって多少の違いがあります。より詳しく知りたいかたは州の規定を確認してくださいね。
カナダ政府 ウェブサイト カナダ労働時間について
労働時間
1日8時間（一日24時間の期間）
週40時間（土曜日の午前0時からその直後の土曜日の午前0時までの期間）
毎週1日の完全休息日（通常は日曜日）が与えられる。
祝日が1日以上ある週は、祝日ごとに標準労働時間が8時間短縮される。
カナダの祝日カレンダーは下記を参照してください。
時間外労働
１日８時間の所定労働時間を超えて働く場合 、最初の４時間は通常の1.5倍の割増賃金を 支払うものとします。
また１日12時間を超えて働いた場合２倍の時給を支払います。
これは１週間の実働時間が40 時間未満でも適用されます。
残業すると随分と多く支払われるのが、カナダの労働基準法だね。
でも、税金もその分、多く引かれるから手取りにすると割にあわないわ。
２時間の残業の場合
例えば、時給２０ドルの人が１０時間働いた場合の計算は、合計２２０ドル
8時間 X 20 ドル
２時間Ｘ３０ドル（２０ドルの1.5倍）
６時間の残業
例えば、時給２０ドルの人が14時間働いた場合の計算は、合計３６０ドル
8時間 X 20 ドル
４時間Ｘ３０ドル（２０ドルの1.5倍）
２時間Ｘ４０ドル（２０ドルの2.0倍）
時間外労働時間は、日曜日に始まり土曜日で 終わる１週間を基に計算します。
時間外労働時間の計算には１日の労働時間１週間の労働時間の両方を検討します。
最長労働時間
1週間の最長労働時間は48時間です。
教育プログラムの要件を満たすための無給の学生インターンシップと、同じ雇用主での有給雇用の両方を行う場合は、合計労働時間が、1日10時間、または週48時間の時間を超えてはなりません。
最低日給
出勤して、たとえ仕事時間が２時間に満たない場合でも、２時間分の賃金を従業員 に支払らないといけません。（BC州の場合）
雇用者が、事情で仕事を中断しなければ ならない場合、２時間分または 実働時間の賃金のどちらか多い方を支払います。
８時間以上の労働予定で出勤した場合は、最低４時間分の賃金を支払われます。
例えば、レストランで夜７時に仕事を開始して、夜12時までのシフトのはずが、お客様がこなくて夜８時に仕事を終えて帰らされた場合、最低でも２時間の時給が出ます。
休憩および休息時間
連続５時間以上続けて労働することはできません。
30分の休憩
連続５時間以上続けて労働することは できません。少なくとも３０分の休憩時間 を取る権利があります。
雇用主はこの休憩を１回で与えなければいけません。15分ずつなど分割してはいけません。
雇用主はコーヒーブレイクを設ける必要はありません。
食事のための休憩時間は必ずしも賃金支払いの対象とはなりません。
もし、雇用主が休憩時間中も、電話応対のために休憩時間中も職場に残るよう雇用主から要求された場合は、給与が支払わなければなりません。
シフト間の8時間休憩
従業員に、各シフトまたは労働時間の間に最低連続8時間の無給休憩時間を取る権利があります。
雇用主は、緊急の場合を除き、各従業員にシフトとシフトの間に8時間の休日を与えなければいけません。
労働から解放される時間
従業員に対し１週間に最低でも 32 時間連続 の労働から 解放される時間を確保することが義務づけられています。
労働から解放されるべき時間帯に働いた場合、働いた時間に対し通常の 1.5 倍の割増賃金を支払うものとします。
例えば１週７日働いた場合は、たとえ１週間の合計労働時間が40時間未満であっても、そのうち１日は1.5倍の割増賃金が支払われます。
雇用主は労働時間が最も少ない日の時間数に対し1.5倍の割増賃金を支払います。
従業員は、緊急の場合以外、各労働時間の間に仕事から解放される時間を少なくとも８時間確保する権利があります。
カナダ政府 ウェブサイト 休息－Breaks and rest period
医療休暇
従業員として、医療上の理由で必要な休憩を取る権利があります。これらの休暇は無給です。
書面で要求された場合、医療従事者が発行した証明書を雇用主に提出しなければなりません。
この証明書には、必要な休憩の期間と回数、医療上の理由で休憩が必要な期間の開始日と終了日が記載されていなければなりません。
看護休暇
授乳中の従業員には、授乳または搾乳のために必要な休憩を取る権利があります。これらの休憩は無給。
労働時間の平均化
仕事の種類や、業界によっては、仕事の性質上、季節やその他の要因によって不規則な勤務時間が必要になる場合があります。
このような場合、雇用主は労働時間を2週間以上で平均で計算することができます。
そのため、標準労働時間と最長労働時間も、日単位や週単位ではなく、2週間以上の期間で計算されます。
カナダ政府 ウェブサイト 平均化－Averaging of hours of work
カナダの労働基準が適用される方
「インターン」と呼ばれる人も労働基準法が適用されます。
が、その中でも教育プログラムの要件を満たすためにインターンシップを行う「学生インターン」は除きます。
今回ご紹介した、カナダ労働時間のきまりは、下記の人には通常適用されません。
- 管理職
- 管理監督者
- 管理職、管理監督者
- 以下の職業に従事する者
- 建築
- 歯科
- 技術職
- 法律
- 医療
まとめ
カナダ労働時間と残業などについてご紹介しました。
州によってやポジションによっても違ってくるので、実際の適用については、原文の労働 基準法と規則を参照してください。
働く人の権利を知らずに、働き蜂にならずに、権利をしって、心も体も健全に働きましょうね。
