ライオンズマウンテン(別名ツインシスターズ)はバンクーバーの北側にそびえる山です。
晴天時にはメトロバンクーバー全域から眺望できます。
ライオンの登山は、危険な露出した岩場が多数存在する上級者向け。
登山家にとっては、登頂制覇は目標にする上級登山の一つです。今回はウェストライオンの登頂をご紹介します。

名前の由来
登山の話に入る前に、カナダ原住民のスクアミッシュ族の伝承によれば、2本の角のように見える頂上の山並みは、ライオンではなく、実は双子の姉妹と言われています。
創造主によって、あるいはハイダ族の襲撃隊に捕らえられたスクアミッシュ族の双子の姉妹の姿とされています。ツイン・シスターズはスクアミッシュ族とハイダ族の平和の証。
本ブログ記事では、今後はライオンズと呼びます。

難しさ
非常に急峻でテクニカルなトレイルです。
最初の区間は長い砂利道を歩き、やがて山道へ、そして岩場への上りとなります。

準備
難易度からしても、適切な装備と経験を持つ登山家のみが挑戦すべき。
標識には山頂までの往復16km、標高差1525mを上るのは、かなりきつめ。
所要時間は7~12時間。
私は頂上での休憩を含めて10時間の登山となりました。
持参したお水は2.5 リットル。(登山は8月真夏)
むろん、もっと持ち歩きたいですが重さが限界です。。

登山道
砂利道サービスロード
ライオンズベイの黄色いゲートから登山道を出発し、広い平坦な砂利道を進んだ後、登り始めます。少しづつ登りに代わっていきます。

分岐点
少し登ると分岐点に到達します。分岐点は、右へ右へと進んでいきます。
25~30分ほど歩くと、再び分岐点に到達します。ここでも右へ進み、道が平坦になり始める上り坂を続けます。



山道の上り
道は山腹を回り込み、風光明媚な滝をいくつか通り過ぎます。
道が次第に岩だらけになるにつれ、ライオンズの標識に注意してください。


石と樹木の上り
その後1時間ほど、トレイルはダグラスファーとウエスタンレッドシダーの森を登り続けます。
山道の登りから、岩場の登りに代わっていきます。
数千年にわたって起きた岩崩れの跡が所々に残っています。やがて道は樹木の隙間から尾根へと抜け出し、右手に聳え立つウェスト・ライオンズの息をのむような景観が広がります。
さらに高い尾根の上には、より壮観な景色が待っています。


岩場の上り
地形が徐々に道から大きな岩場へと変わるにつれ、オレンジの色付きのマーカーを目印に注意して進みます。登り続ける途中、時折立ち止まって振り返れば、ハウ湾と、その日のトレッキングを始めたライオンズベイの町の眺めが広がってます。
巨岩を越えるルートは登り続け、一歩ごとに傾斜が急になります。
トレイルの最終区間は最も急峻で、短い谷間を登りながら頂上へよじ登っていきます。



ライオンズ山頂
巨岩を越えるルートは登り続け、一歩ごとに傾斜が急になります。トレイルの最終区間は最も急峻で、短い谷間を登りながら頂上へよじ登ると山頂に到達!
ライオンズ・ピークの両峰はもちろん、左手にハウ湾、アンネセサリー山、そしてバンクーバーが一望できます。

山頂に到達すると、目の前に小さな丘がもう一つ現れます。これが、最難関のサミットです。

ライオンズ サミット(ライオンズ・ピークの両峰)
最後のサミットへの登頂は最難関で、登頂は、体力、精神力、経験のある登山家のオプショナルです。
毎年、レスキューが出動し、負傷者、死者が毎年でるほどの難関です。
実際、現場で、サミットへのアタックを予定していて山頂に登山してきても、サミットを目の前にして、断念している登山家が数人いました。
一歩の岩場に足をかけ間違えれば、谷底。
体と、そして精神の集中力が必要な最期のサミットへの登頂は、最難関です。登頂するかどうかは、経験のある登山家の方も、慎重に決断をしましょう。


ライオンズ下山
昼食をとり、写真を撮り、小休憩が取れたら、ライオンズ・ベイへ向けて下山する時です。
岩だらけの斜面を下り、来た道を示すオレンジ色のマーキングを見逃さないように注意してください。疲れている体で、見過ごすと、違う山に入り、行程が長くなります
登山道へのアクセス
ライオンズ山への登山は、二つルートがあります。
ひとつは、サイプレス山スキーリゾートに駐車し登山をする方法。
もう一つは、ライオンズベイに駐車して、登山する方法です。
今回、私たちが登山したのは、後者。
ライオンズベイルートでは、登山道にある限られた公共駐車場に運良く停められるか、(夏季は通常午前8時までに満車)
少し離れた小学校に(ライオンズベイ小学校)に臨時駐車場があり、アスファルト道路の登り道を約1キロほど、旅程に加える覚悟が必要です。


ライオンズ 登山 まとめ
バンクーバーで登山するからには、一度は登頂制覇をしたい!今年は、意を決して、春からトレーニングを積み、日の長い真夏に登頂に臨みました。
7時に登頂をはじめ、下山するまで10時間。
持参した水 2.5リットルを飲み干して帰宅すると、体重がマイナス3キロ。合計 5.5キロは、汗となって消えていきました。やり切った達成感と、筋肉痛の体で今年の夏を終えた気分です。
日本の山並みとはまた違った登山。バンクーバーへ滞在される登山家の方は、ぜひ挑戦!してみてください。

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